2008年8月アーカイブ

ハノイでは物の値段が交渉によって決まることが多いが、決まっているものであってもお釣りを必ずもらえるとは限らない。

たとえばタクシー。メーターが58,000ドン(メーター上は、58.0と表記される)の時に、領収書を請求すると、8割方のドライバーが60,000ドンと書いて寄越す。ひどいのになるとレシートの白紙をぴらっと渡し、自分で書けといった感じである。

そこで60,000ドンを渡す。おとなしく2,000ドンのお釣りをくれる運転手もいるが、たいがいこちらが降りるのをじっと待っている。そこで、

「はいぎーん(2,000ドンの意味)」

というと、通常おとなしく2,000ドンを寄越す。たまにお釣りがないといって2,000ドンのない財布を見せるが、通常彼らは3カ所くらいに分散してお金を持っているので、たいがい何とかなる。

「しかし、なぜタクシーは普段多めの金額のレシートを書くのか?」と考えた結果、これは一つの顧客に対するサービスでないか?との結論に達した。前回のケースだと、実際にお釣りを2,000ドンもらい、60,000ドンを会社に請求すれば2,000ドンの個人収入になる。一月分まとめれば昼飯代くらいにはなろう。(いいこととは思えないが)

そう思ってからあまり腹が立たなくなってきた。不思議なもので、慣れてくるとタクシーでも何をいわなくてもきっかりお釣りがでてくるようになった。こちらの許容度が増したのか、こちらが在住者として認知されたのか。

スーパーでは1,000ドン以下のお釣りがない場合にアメ玉が返ってくることがある。冗談のようなホントの話だが、Wrigley'sのガム(2個入っている小袋)には、「Vietnam 500d」と書いてあり、実際に500ドンのお釣りとして通用している。
まあ、1,000ドンは7円程度なので、それほど目くじらを立てる話でもないのだが、お釣りをかっちりもらえないというのはなんとなく気分がわるい。

スーパーで一度こちらがお金の代わりにガムで払ってどう反応するか見てみたいと思うのだが、まだ実行に移してはいない。

ホーチミンではお釣りをしっかりくれるところが多いので、ハノイでもこの習慣はなくなっていくのではないだろうか。

ハノイに来た日本人がまず驚くのはその交通事情であろう。

バイクの洪水、常にクラクションを鳴らし続ける車、運転が荒っぽいバスなど。交差点には信号のないところも多く、入り乱れた交通の中を天秤棒をかついだおばさんが渡っていく。所長も最初ハノイに来たときは道を横断することができなかった。

ところが慣れてくるとこれはこれで快適。自転車も問題なく乗れるようになった。

バイクの集団の中に混じって自転車で走っていると、自分が草原を走る草食動物の群れの一匹になったような気がする。集団の中にいるときは非常に安全であり、左折の際などは最右翼の1台が直進の対向車を止めるとその間に大集団が一気に左折を開始し、直進側は待つしかない。意志が集団となって行動するとはこのようなものか。自分が道路を流れる流体であることを意識する。反面、自分一台だけ独立した行動をしようとするときは十分な注意が必要である。

バイクの集団だけで左折する場合には、1台が対向側の流れを止めると、その車体の影に次々とバイクが並び、ラグビーのパスラインのような見事な連係行動が生じる。お互いがあうんの呼吸で動き、見知らぬ相手との一体感が生じる瞬間である。車がいるときは同様に死角を利用する。日本では死角の利用はタブーであるが、ここでは非常に有用である。

道路のどこを走るかについてもかなりフレキシブルである、両端については右側通行、というだけで、実際には真ん中はどちらが走ってもかまわない。追い越しを掛けている車の左にさらに追い越しを掛けるというのは日常茶飯事である。対向車側もそのような動きを予想して、無理な車に対しては戦わず譲る。その点中国とは異なる。

数ヶ月の滞在を経て、所長はハノイの交通事情についてある一つの悟りに達した。

「ハノイには歩行者しかいない。いるのは、歩いている歩行者、自転車に乗っている歩行者、バイクに乗っている歩行者、車に乗っている歩行者である。それぞれが歩行者としてのメンタリティでもって道路を往来している。」

歩行者なのでハチ公前交差点のごとく、好きな方向に歩いていってかまわない。ただし目の前をふさがれたとしても怒るわけではなく、淡々と待つ、もしくは避ける。みんなぶつかるのは避けたいので、それで結構うまく運用されている。

なのでバスの進行方向にゴミの手押し車が現れても、基本的にはバスはおとなしく(もしくはクラクションを鳴らしながら)待ち、やりすごしてから動き出す。そういう意味では交通弱者にやさしいとも言える。

基本的に道路は何が飛び出してきてもおかしくない。逆送、その場でのUターン、突然の人の出現、工事現場の穴ぼこ、なんでもありである。そういう場合を考えても、併走する集団の中にいるほうが安全である。

慣れると非常に快適である。とりあえず一歩あるきだせば、まわりとの距離を測りながら自分の好きな方向に動き出せばよい。恐ろしいもので、日本に出張に帰ってきた折、車が来ていないと思った瞬間に日比谷通りを渡りだそうとしてしまった。もちろん日本の車は交差点以外で人が出てくるとは予想していないので、非常に危険である。

交通についてはいろいろ面白いことが多いので、また機会を見つけて触れることにしたい。

仕事でタイなど東南アジアの国を回ることが増えてきたため、現地で利用するための携帯が欲しくなり、いろいろ検討した。

条件:

1.日本でも利用できること(ベトナム人スタッフの来日時に貸せること)→3G対応

2.それほど高くないこと。(200ドル以下)

3.日本語表示、入力をなんとかすれば出来ること

こちらでは簡単な連絡はSMSでのやりとりが多いが、ハノイ在住の日本人奥様方も多くがローマ字を駆使して連絡を取り合っている。ただ、中国簡体字対応の携帯については日本語をある程度表示できるものが多いため、もしかしたら日本語利用が可能なモデルはないかと考えていた。ただ、簡体字対応の場合、広島の広とか、峠のような国字については表示できず、□に置き換わってしまう。まあなくてもある程度意味は通じるが。

NOKIAの最新の機種であれば、日本の国字にも対応しているというインターネット上の情報を信じ、3120 Classicを購入してためしてみた。(ハノイ市内で240,000ドン=日本円で15,000円弱)

この機種は3G対応で、日本国内でも利用可能。S40の5th Edition FP1である。仕様はNokiaのサイトから確認可能

E61からためしにSMSを送ってみると、国字についても表示可能であることが判明。しめしめ。あやまどりさんのHPよりPiclipをインストールすると無事に日本語入力が可能になった。最新のPiclipだと、"option"を選ぶと"send via SMS"という項目が選べ、そこで"search"を選ぶと携帯電話の電話帳から送信先を指定できてそのままSMSの送信が可能になる。かなり便利である。

 日本語FEPの出来や、"未承認だがいいですか"などの警告に毎回Yesを押したりしなければならないなど、細かい使い勝手は日本語純正のE61(値下げして現在41,000円)には及ばないが、軽くて安い、3Gで日本でも利用可能ということを考えると、プライベート向けの携帯として現時点でもっとも良い選択と思える。

 

<おまけ>

3120 Classicにはオーディオプレーヤーがついている。ダメもとでmicroSDに日本語CDのファイルを入れて試してみた。音はでるがさすがにタイトル表示は化けている。これじゃ利用できないか。もしかしたらUnicodeなら表示できるのではとおもい、Rip!AudiCOでタイトルをunicode表示に変換し再度挑戦。するとバッチリ日本語表示できた。

4GBのmicroSDまで対応可能とのことなので、お気に入りの音楽を仕込んでプライベートで持ち歩くのがいいかもしれない。
惜しむらくはBluetoothだと音声はモノラル。有線だと下部についているヘッドホンジャックが使えるが、2.5mmで3本線が入っている特殊なステレオミニプラグを使っており、Nokiaの純正ヘッドホンでないと接続できないと思われる。普通の3.5mmヘッドホンジャックへの変換アダプタがあると理想的なのだが、今のところ確認できていません。 

(純正ヘッドホン自体はバンコクのMBKで250バーツ前後で山ほど売られていました)

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